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クラシックでありながら DUCATIと聞くと、皆さんはどんなバイクをイメージするだろうか。フルカウルのスーパースポーツ? そのイメージは確かに正しい。国内4大メーカーと互角以上の戦いを繰り広げるDUCATIの個性豊かなGPレプリカモデルの人気は高く、ハーレーやBMWと並び「バイク乗りの最終到達地点」としてDUCATIを挙げる人も多い。スポーツバイクのイメージが強いDUCATIだが、カウルレスのクラシックなバイクをラインナップしていた時期もあった。今回紹介する「GT1000」は“スポーツクラシック”シリーズに属するモデルで、70年代に人気を誇ったGTモデルをモチーフに、最新の技術を持って創りあげられたマシンだ。
GT1000と同じ“スポーツクラシック”シリーズに属する「Sport 1000」や「Sport 1000S」は、ややスポーツ寄りのモデル。クラシカルな見た目を持ちながら、低いハンドルポジションやリアのモノサスはスポーツ走行に振られたモデルだと言えよう。一方、GT1000はDUCATIの現行ラインナップの中で、左右にサスペンションが分けられた唯一のモデルだ。Lツインとクラシックな外観の両方が味わえるモデルは、ここしばらくのDUCATIのラインナップにはなく、GT1000は2006年の登場後には喝采を持って迎えられている。DUCATIの名を冠するに相応しいスポーツ性能は持ちつつも、気軽に乗ることができるクラシックテイストを持つGT1000。その魅力を紹介しよう。 スポーツ性の高い装備と
バイクに興味がない人であってもつい目を向けてしまうデザインだが、GT1000におごられた装備のポテンシャルは非常に高い。安定感のあるフロント周りを支えているのは、マルゾッキ製43mm倒立フォーク。クラシックスタイルにありがちな正立フォークを選ばなかったのは、スポーツにこだわるDUCATIらしいチョイスと言える。モチーフとなった70年代の750GTをただ踏襲するならば正立フォークとなっていたかもしれないが、GT1000はただの懐古モデルではないということか。スタイルとスポーツ性を両立しながら、あくまでDUCATIの名を冠するに相応しいスポーツ性を持たせているのだ。フロントのダブルディスクブレーキや、やや長さが目立つリアサスペンションなど足回りには一切の手抜かりはない。乾燥重量もこの手のバイクでは珍しく200kgを大きく下回り、185kg。クラシックテイストが売りのライバルたちの多くが200kgを越える中、軽量さが目立つ。取り回しだけではなく、スポーツライディングを楽しむのにこの重量差は大きい。例えるなら「クラシックの皮を被ったスポーツバイク」。GT1000はそんな表現が似つかわしいバイクだと言えよう。
見かけはクラシック
DUCATIは攻めるバイクというイメージを抱いていた。スポーツバイクの雰囲気が苦手な私には「本気のスポーツバイクはちょっと…」と思っていたのだが、GT1000はそんなイメージを覆してくれるモデルだった。発表されたときには「DUCATIもこんなバイク出すんだ」と驚いたものだ。ツインショックにアップライトなハンドルポジション、肉厚なシートなどこれまでのDUCATIのイメージとは一線を画すスタンダードなバイクに見える。跨ってみたところ、身長178cmの私であっても両足はベタ着きではない。かかとがやや浮いてしまう。身長があまり高くない人だと車高の高さが問題になるかもしれない。ただ、オプションでローダウンサスがあるので、足つきに不安がある方にも対応は可能。シートのアンコ抜きも充分できそうな肉厚なので、サス以外にも足つき対策はイロイロとできそうだ。いざ、エンジンに火をいれてみよう。992ccのL型ツインエンジンがエギゾーストサウンドを奏ではじめる。日頃Vツインやフラットツインのエンジン音に親しんでいるせいか、やや4発に近い音のようにも聞こえた。初めて乗るLツインがどんなモノなのか…次第に気持ちが昂ぶってくる。走り出して間もなく気づいたのはクラッチの重さ。男性であればレバーを握るのはそれほど苦でもないだろうが、長距離を走るときや市街地で渋滞に巻き込まれたときは辛いかもしれない。停車時に2速からニュートラルに落とすというワザを使えば特別気にはなる重さでもないが、女性や非力な方はクラッチを軽くするパーツをあらかじめ組み込んだ方がいいかもしれない。車高やクラッチなどについて気づいたことを書いたが、対策パーツは用意されており、オーナーに合わせていくらでもカスタムはできるのでご安心を。
DUCATIはそれなりに走れるようになった人が乗るバイクだと思っていたが、そうじゃないモデルもあることを今日知ることができた。GT1000の場合、調子に乗って倒しすぎるとマフラーを擦りそうになるが、大型バイクとは思えない軽快な走りでワインディングを駆け抜けるのは非常に楽しい。走るほどに脳が刺激されるというか、戦う意欲が湧いてくるバイクだ。スタイルから興味を持ったGT1000だったが、乗ってみるとさらに興味が湧いてきた。 とっつきにくさはゼロ 旧き良き、70年代のGTシリーズが好きな人はもちろん、これまでDUCATIに興味を持たなかった人からも注目を集めるのがGT1000。クラシックでありながら、ただの懐古趣味ではない斬新なデザインが気になる人であれば間違いなく満足できるだろう。足つき性などの不安要素はオプションパーツで後からどうにでも対応は可能。スタイルが気に入った人にはもちろん、GT1000の場合ポジションの楽さにも注目して欲しい。スポーツクラシックシリーズの中で、もっともポジションが楽なのがGT1000。楽な姿勢で走ることができるので、長距離を走っても体に負担は少ないだろう。足つき性さえ対応すれば街乗りからロングツーリングまで、オールマイティに活躍してくれるモデルのはず。スタイル、スポーツ性、快適性など、DUCATIの豊富なラインナップの中でもっともバランスがいいモデルだと言えるので、初めてのDUCATIにもオススメだ。ちなみにリアシートも幅広でタンデムライダーも快適なモデルとなっているので、タンデムが多い人にも嬉しいモデルだろう。 主張の強いLツインエンジン ハーレーのツイン、トライアンフのバーティカルツインと比較する人もいるだろうから、私が感じたLツインの魅力を一言で。どのエンジンにもツインらしい味わいは存分にある。その中での違いだが、のんびりと走りたいならハーレー、スポーツ走行も楽しみたいならDUCATI、どちらもバランスよくならトライアンフ、と言ったところか。ただ、3種類のエンジンの中では、Lツインのエンジンがもっとも乗り手に強く訴えかけてくるモノはある気がした。走り出して間もなく、エンジンが「もっと速く、もっと遠く」と急かしてくるようなエンジン。いくつの年齢の人が乗ろうとLツインに乗れば、気持ちが若くなるんじゃないだろうか。そんな魅力を秘めたエンジンがLツインなのだろう。スタイリッシュなデザインと個性あるLツインのエンジンを併せ持つモデルGT1000。機会があれば一度試乗してみて欲しい。特に「性能だけを追いかけるバイクなんて…」と思っているシングルやツイン乗りのライダーはぜひ試乗を。目からウロコが落ちるほどの魅力が感じられるはず。ツインでありながら、ここまでスポーツが楽しいバイクもあるんです。 GT1000
DATA-- ■エンジン=空冷L型2気筒 992cc |
編集部員 ターミー 数々のバイクを乗り継ぎ現在はハーレー「スポーツスター」、BMW「R80」、YAMAHA「SR」を所有するただのバイク馬鹿。これまでシングルかツインにしか乗ったことがなく、やや偏食気味なのが気にかかるところ。これからの成長を期待する。
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