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スタイリッシュなツーリングモデル FLHX ストリートグライド。2006年にハーレーのラインナップに登場し、人気を集めているモデルだ。大柄で重厚なモデルが中心のツーリングファミリーの中で、シンプルな装備ながらツーリングも快適にこなすバランスの良さが人気を集めている。登場して間もないこのモデルだが、2007年モデルで大きく進化を遂げている。2007年モデルから採用された1584ccの新型エンジンTC96が載せられている。ギアは6速ミッションが採用され、FLHXのポテンシャルはさらにグレードアップしたのだ。存在感のある巨体や溢れるトルク、生き物のように感じられるエンジンの鼓動から「King Of Motorcycle」と評されるハーレー。その魅力の一端をFLHXを紹介することでお伝えしたいと思う。 大きく進化した2007年モデル
セルを回せば寒い日にもかかわらずエンジンは1発で始動。2007年モデルからハーレー全モデルに採用された電子制御のインジェクションシステムのおかげで始動に苦労することはまったくない。始動直後は少々せわしなく回っていたエンジンも、しばらくすると落ち着き、Vツイン特有の低音のサウンドを奏で始めた。さてFLHXの新エンジンを味わうことにしよう。どれほど荒々しいフィーリングが襲い掛かってくるのか…慎重にスロットルを回し走り始めると、思った以上に素直だ。300kgを越える重い巨体がスルスルと進みはじめる。前年のモデルから排気量が上がっているため、もっとパワフルに走りはじめるかと思いきや、非常に扱いやすい。ゆっくりと車の流れに乗ると停車時に感じていた重さが消えてしまった。ヒラヒラと走れるほどの軽さはないものの、思いのほか軽快な反応を示す。しばらく道を流しながら浮かんだイメージは船。クルーザーの舳先に立つ感覚は、もしかしたらこのバイクを操る感覚に似ているのかもしれない。そんなことを考えているとまるで自分が船長になったような気になってきた。試乗をはじめてしばらくはSTOP&GOの多い街中を走っていたのだが、そこで感じた驚きが1つ。クラッチが軽い。ほんの数年前までは「重いクラッチ=ハーレー」というイメージだったのに、近年のハーレーの細かなところの改善努力はスゴイ。排気量が大きいほどクラッチが重くなるのは当たり前のことだと思っていたが、この軽さが2007年モデルの標準か…。これからハーレーに乗る方にとっては当たり前のことになるのだろうけれど、これは旧モデルオーナーからすると非常に羨ましい装備なのだ。
ツーリングファミリーの中ではシンプルな装備、と前述したがFLHXの車体はさすがに大きい。試乗を行った神戸の都心では渋滞に巻き込まれ巨体を少々持て余し気味。このバイクの本領を発揮するために、高速に乗り街を離れることにしよう。街中ではほとんどスロットルを捻る必要がなかったが、高速に乗ればやっとこの新エンジンと6速ミッションの底力を確かめるチャンスだ。スロットルを軽く捻るだけで力強く、気持ちいい加速を見せていく。6速に入れるために試しに100kmほどまで加速してみたが、100kmくらいでは5速で充分のように感じる。ただ、昨年までのハーレーの場合「5速で80kmくらいで走るのが気持ちいい。エンジンがノッキングし始めるスレスレの回転数で生まれる鼓動が魅力」という声をよく耳にしたが、2007年モデルのこのエンジンの場合は、100kmで6速に入れたときの感覚がそれに近い。6速なら120〜140kmくらいで走っても、何のストレスも感じず一日中走っていられそうだ。排気量が上がった恩恵は下道よりも高速走行時に大いに感じられた。高速道路を走っているのに、まるで一般道を走っているようだ。余裕ある排気量のおかげで高速時も低回転でのんびりと走ることができ、恐怖感が微塵も感じられない。低い重心の安定の良さとフェアリングの風防性が安心感に拍車をかけ、どこまでも風を切って走っていける気がする。高速道路二人乗りが解禁され、タンデムで遠隔地まで出かける人が増えた現在。6速で1584ccになったFLHXは、我々をこれまで以上に遠くに誘ってくれるだろう。 必要なモノはすべて装備 FLHXでもっとも特徴的なのはフロントから見た風格のあるフェアリング。他モデルと同形状なように見えるが専用設計のモノ。フェアリングの裏側にはスピードメーター、タコメーター、電圧計、燃料計、油温計、温度計の6種類のメーターが左右対称に並ぶ。ツーリング時に本領を発揮するありがたい装備が、リアフェンダーの左右に取り付けられた大容量のハードサドルバッグ。少々の旅の荷物ならすべてをバッグ内に収納できるほどのモノだ。車載工具、防犯チェーン、レイングッズなどを入れたままにしてどこへでも出かけることができるため、普段から大いに役立つことだろう。
普段から多用するであろう純正オーディオはハンドル手元でボリュームなどの各種操作が可能で、余所見をせずオーディオ操作ができるのは安心。外部接続のAUX端子に携帯用音楽プレイヤーを接続すれば、車載スピーカーから好みの音楽をかけることができる。たとえ高速走行中であってもフェアリングに守られているため、スピーカーからの音ははっきりと聞こえるのが好印象だ。ひょっとしてFLHXの装備の中で一番嬉しいのは純正オーディオかもしれない。左右のハードサドルバッグの裏にはツーリングファミリーのみが装備するエアーサスペンションが取り付けられている。路面からの衝撃はシートまで伝わってくるものの、柔らかい衝撃のみが乗り手に伝わる。FLHXが属するツーリングファミリーは全ファミリーの中で最高峰の装備が備えられているので、下手な社外パーツと交換する必要がないほど、上質のモノが備えられているのだ。
FLHX ストリートグライド
DATA-- ■エンジン=空冷OHV 45°Vツイン TWINCAM96エンジン 1584cc |
編集部員 ターミー 数々のバイクを乗り継ぎ現在はハーレー「スポーツスター」、BMW「R80」、YAMAHA「SR」を所有するただのバイク馬鹿。これまでシングルかツインにしか乗ったことがなく、やや偏食気味なのが気にかかるところ。これからの成長を期待する。
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