バージンバイク
キャラクター&歴史

古さと新しさを併せ持つ
スタンダードシングル

今回のCB400SS試乗は、非常に楽しみだった。それは70年代のシングルCBモデルを個人的に所有していることと、ロードモデルと言いながらもどこか土臭さを感じさせるスタイルに以前から惹かれていたから。21世紀になって発表されたHondaのロードシングル。いったいどれほど私を楽しませてくれるのか、試乗前から柄にもなくわくわくしていた。CB400SSの「SS」とは“Standard Single”の略称だ。2001年に登場したまだ若いモデルであるが、Hondaの伝統あるCBの名を冠する上に「SS」と名づけられたこのモデルはHondaなりのロードシングルへの回答だと受け止められよう。スタンダードな単気筒バイクとはどういったものなのか。旧いシングルモデルを知るベテランから、これからシングルの魅力を知るエントリーライダーまでを満足させてくれるCB400SS、その魅力に迫ってみよう。

 

そもそもCB400SSのエンジンのルーツになったのは、オフロード競技専用モデルだった『XR400』。このエンジンがロード用に改良された『CL400』を経て、2001年にCB400SSとして登場したのだ。他モデルにて熟成を重ねられたエンジンと、シンプルでオートバイらしさを感じさせるスタイルが組み合わさったモデルといえる。2001年の登場当初はキック始動のみだったが、ライダーからの声を受け2003年よりキック・セルの両方が装備されている。また同年よりHonda独自の盗難防止機構であるH.I.S.Sが搭載され、セキュリティ面でも安心感が増した。その後新色の追加を経て現在の3色のラインナップとなっている。

特徴

いつまでも飽きない
バランスの高いデザイン

車輌詳細車輌を眺め、何よりも先に目がいくのはやはり直立した単気筒エンジン。横幅のある4気筒のエンジンよりも、雄々しいVツインのエンジンよりも、一種の優美さを感じてしまうのは私だけだろうか。スリムだが、引き締まったボディ。シングルエンジンからは、こんな連想が沸くからだろうか。シンプルでRの美しいティアドロップタンクから続く曲線はシートまで続き、ただ眺めているだけで時が過ぎていきそうになる。フロント19インチ、リア18インチのスポークホイールの組み合わせも絶妙。個人的な話で恐縮だが、私の中でのオートバイらしいバイクの条件とは「スポークホイールであること」と「フロント19、リア18。もしくは前後18」と頭に刷り込まれている。前後17インチのスポーツバイクが隆盛の中で、このホイール構成のバイクの美しさが新鮮に輝いて見えるのは私だけではないはず。

 

CB400SSはどの角度から見ても“オートバイらしく”美しいのだが、フロントから見た景色も思わず笑顔を浮かべてしまうほど、私の好み。ヘッドライトの左右に並べられた程よいサイズのウインカー、ヘッドライトの大きさも絶妙だ。ヘッドライト上部に見えるメッキが施されたスピードメーター、タコメーターが最近多いお椀型のモノでないところも嬉しい。このバイクは。タイヤの細さ、車輌の横幅など全体的にスリムにまとまっていて、それぞれのパーツの自己主張は激しくない。どのパーツも控えめな美しさを持ち、すべてのパーツが合わさってバランスのいいスタイルとなっている。ただクラシカルなスタイルの焼き直しというだけではなく、どこか新しさも感じさせてくれるデザインだ。

ポイント

優雅なフロント周り

オートバイらしいスリムでシンプルなフロント構成。特にメーターからフォークブーツへと続く縦のラインは旧いヴィンテージオフロードバイクを彷彿とさせる。ややアップ気味のハンドルからも土臭さを感じる。

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ポイント

上品なラインを描くマフラー

エンド部分が絞られた上品なマフラー形状は左に見えるリアドラムブレーキともマッチする。各種規制をクリアするマフラーサウンドは穏やかだが、アイドリング時から加速時まで乗り手に不満を抱かせないモノ。

ポイント

スポークホイールの採用

スタンダートなオートバイには欠かせないスポークホイールを採用。フロントブレーキがシングルディスク、リアはドラムブレーキという組み合わせも制動力とスタイルとのバランスの良さを演出してくれている。

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ポイント

緩やかなRを描くシート

緩やかなカーブを描くシート形状はスタイル面に貢献しているのはもちろんのこと、座り心地も柔らかで満足の行くモノ。シート全部が絞り込まれた形状になっているため、足つき性が非常にいい。

試乗インプレッション

空冷シングルの魅力を
存分に味わえる400cc

車輌詳細まず、出力とトルクは必要十分で非常に扱いやすい。快走路をのんびり走るのはもちろん、街中でもトコトコと低回転で走っているだけで気分がいい。ピュアに”バイクを楽しむ”ことができるフィーリングだ。個人的には、何となくスーパーカブにも似た、エンジンの気持ちよさを感じる。もちろんスロットルを開ければ、400ccエンジンは必要十分な加速をライダーに与えてくれる。一般道で車をパスしながら走っても全くストレスは感じない。 ややアップめのハンドル形状とフットポジションのバランスは絶妙で、操作性はよく長時間走行でも疲労がたまりにくいといえる。個人的には少々やわらかいと感じたシートも、ツーリングシーンでは最適と言えそうだ。そのためちょっとしたツーリングでは十分に走りきれるのではないか。もちろんワインディングでも、その軽い車体で存分に楽しむことができる。車体を寝かせば思った方法にスッと曲がっていくため、適度なスピードで楽しみたい方にはイチオシだ。

 

車輌詳細と、実に好印象なCB400SS。さらに付け加えるならば、2003年12月より追加されたセル機能や足つきに十分考慮されているだろうシートは女性でも十分に楽しめるだろうということ。上述したが適度にアップされたハンドルも、窮屈にならずリラックスした姿勢でのライディングを約束してくれる。

 

誰もが受け入れられるスタイルと性能、そして快適さ。オールマイティというべきか、オートバイの模範例の一つであるというべきか。私個人としては「ライダーが制御できる、人に近いバイクなんだな」といった印象だった。スタンダードシングルというより“スタンダードモーターサイクル”と言っても過言ではない。

こんな方にオススメ

非常にマイルドなシングル
初心者でも怖さは感じないはず

誰にでも非常に扱いやすいバイクだ。ここで言う“扱いやすい”とは“つまらない”を意味するわけではない。乗れば乗るほど味が出てくるエンジンと車輌構成だ。どれだけ深みのある面白さを備えていても「取り回しが重い」や「キックがかけられない…」などの癖があれば、その魅力を知る前に諦めてしまうライダーも多いはず。シングルの魅力を知る、そのことに集中できるよう初心者にも優しい仕様になっているので、体重が軽いライダー特に女性には自信を持ってオススメできる。クラシカルなオートバイらしいスタイルが気に入った方、迷わずこのモデルを選んでも大丈夫だろう。

総合評価

絶妙なポジションと排気量
つい増車したくなる完成度

そもそもCB400SSに興味があった私だから「乗って楽しい」ことに疑いの余地はなかった。跨らなくてもハンドル、シート、ステップのポジションが絶妙なことはわかっていたから。「でも400ccじゃちょっと非力かな」と思っていたのだが、これは嬉しい誤算となった。久しぶりに乗った400ccだったが「コレ欲しいかも…」と真剣に悩んだ。…いや悩んでいると言うべきか。限られたモデルでの経験だが旧いシングルCBにも乗ったことがあり、その魅力を楽しんだことがある。21世紀のシングルCB「CB400SS」は確かにCBの進化系だ。シングルの魅力を存分に感じさせてくれながら、ライダーのストレスになる部分は見事に感じさせない。これまでいくつかのメーカーのバイクを試乗して「21世紀の今に、こんな味のあるバイクを販売してくれるなんて」と感動したことがあったけれど、CB400SSもその1台となった。確かにこれはスタンダードシングルだ。機会があればぜひ試乗することをオススメする。

CB400SS

モデルイメージシンプルなスタイルに、単気筒エンジンでリラックスして乗れる1台。バイクを楽しみながら、風を光をにおいを感じられる。女性ライダーにも安心してオススメできる。

DATA--

■エンジン=空冷4ストロークOHC4バルブ単気筒 397cc
■最高出力=29ps/7,000rpm ■最大トルク=31Nm/5,500rpm
■価格=¥493,500〜(税込))
「CB400SS」の詳細情報を見る(バイクブロス)

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編集部員 ターミー

編集部員 ターミー

数々のバイクを乗り継ぎ現在はハーレー「スポーツスター」、BMW「R80」、YAMAHA「SR」を所有するただのバイク馬鹿。これまでシングルかツインにしか乗ったことがなく、やや偏食気味なのが気にかかるところ。これからの成長を期待する。

ホンダドリーム垂水

住所:兵庫県神戸市垂水区下畑町1400-11

電話:078-752-3315

営業:10:00〜19:00

休日:水曜日・第3木曜日