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キャラクター&歴史

CB400 SUPER FOURがマイナーチェンジ
新たに設定されたABS搭載モデルに注目

ホンダ中型モデルを代表する存在「CB400 SUPER FOUR」。その直接的な系譜は、1989年に発売されたネイキッドモデル「CB-1」にまで遡ることができる。それ故、ベーシックなモデルでありながらも熟成は極まり、今や最も完成度が高いシリーズのひとつであることは疑う余地がない。400ccの並列4気筒エンジンは低速から逞しいトルクを発生し、全域に渡ってスポーティーな吹け上がりを実現。これは歴代モデルに共通した美点だ。また、その扱いやすさから教習車として使われてきた実績もあるが、実はそのスポーツ性にも定評があり、大型免許を持つベテランライダーが実用性と現実的な速さを求めて、このモデルを所有しているケースも珍しくはない。

 

そのCB400 SUPER FOURが2007年12月にマイナーチェンジされ、新たに設定されたABSモデルには、前後連動ブレーキシステムにABSを組み合わせた「コンバインドABS」が搭載された。それがこの「CB400 SUPER FOUR ABS」である。新設計のエンジンには、電子制御燃料噴射システム「PGM-FI」が採用され、可変バルブ機構も「HYPER VTEC Revo(レボ)」にバージョンアップ。フレームをはじめとする車体関係にも手が入れられており、今回のマイナーチェンジは実質的にフルモデルチェンジに近い内容と言える。

特徴

そのすべてがナチュラルに機能する
各種新デバイスの搭載がトピック

車輌詳細今回試乗したCB400 SUPER FOUR ABSは新設計エンジンが搭載され、PGM-FIやコンバインドABS、HYPER VTEC Revoといった各種新デバイスが採用されている。エンジンは単体で約2kg軽量化され、それとともに水冷直列4気筒の機能美を主張する外観が与えられた。また、燃料の噴射量とタイミングを緻密に制御するPGM-FIの搭載により、始動性とスロットルレスポンスは大幅に向上。エキゾーストパイプの集合部 2ヵ所に配置された触媒装置との相乗効果で極めて高い環境性能も実現している。PGM-FIに関しては急激なトルク変動など、インジェクションにありがちな症状は巧妙に抑制されており、極めて自然なフィーリングが好印象だ。レスポンスは鋭いのだが、スロットルの開け始めに極僅かだがフワッとトルクが立ち上がる領域があり、その後はインジェクションらしく右手にリニアな反応を見せる。良くできた負圧式キャブレターのような扱いやすさと高い環境性能を両立している点は注目に値する。

 

ブレーキペダルで前後ブレーキが連動して作動する「コンバインドABS」は、姿勢制御から通常の制動まで、普通のブレーキと同じように扱える。また、急制動時などの車輪のロックを回避するABSとの併用により、制動時の車体挙動の安定性がより高まっている。また、前後の制動力が適正に自動配分されるので、車体全体が沈み込み安定して減速する。ノーズダイブも少なく、ツーリングやタンデム時の疲労軽減にも大いに役立つはずだ。「HYPER VTEC Revo」は、6速はこれまで通り6,750rpmだが、1速〜5速では、スロットル開度を感知して6,300rpm〜6,750rpmの間で弾力的に2バルブと4バルブを切り替えるという緻密な制御を実現した。ドラマチックな特性変化はなく、その作動がなかなか体感できないことに一抹の寂しさを感じるが、極低回転域からの十分なトルク、つながりの良い中回転域、淀みない伸びを見せる高回転域と、全域で理想的なエンジン特性を実現しているのだから文句を言うのは贅沢というものだろう。

 

ポイント

水冷エンジンの美しさを追求した新エンジン

「HYPER VTEC Revo」と「PGM-FI」を搭載した新設計のエンジン。約2kgの軽量化に留まっているが、走りに対する影響は大きい。水冷エンジンとしての美しさを追求し、外観も一新された。

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ポイント

マフラーを中心としたリアまわり

魅力的な排気音が失われつつある昨今だが、このモデルには杞憂だ。右手に呼応してスポーティーな音色を楽しめる。赤いスプリングのサスペンションはショーワ製。前後のブレーキキャリパーはニッシン製だ。

ポイント

強力なストッピングパワーを持つブレーキ

フロントのブレーキキャリパーは片押し式の3ピストン。前後連動を実現しているホーシングには注目したい。しかも全ピストンが同じ動きはせず、掛け方によってセンターとアウターピストンが使い分けられる仕組みだ。

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ポイント

多機能なメーターユニット

メーター内に液晶を組み合わせた多機能タイプ。タコメーターのスケール内側には4バルブの作動回転域が強調されている。走行中に僅かなエンジン音の変化からもそれを確かめるられるのも密かな楽しみ。

試乗インプレッション

ハンドリングは絶妙な味付け
そのパフォーマンスに死角なし

車輌詳細さて、実際に走り出してみよう。スタートして直ぐに気づくのは、半クラッチを必要としないほどの力強さで車体をグッと押し出してくれる豊かな低速トルクだ。エンジンの良好なレスポンスを活かした街中での走りも軽快そのもの。スムーズでトルクフル。エンジンの第一印象は、高速道路やワインディングでも変わることはない。一切唐突な部分がなく、アイドリング付近からレッドゾーン手前まで全域を使い切れる躾の良さも印象的だ。PGM-FIを含むエンジンの調教具合は流石と言う他ない。もちろんハンドリングも秀逸。速度が落ちるシーンでは切れ込むことも無く軽やかで、速度の増加につれて安定感も漸増するという理想的な特性。バイクに乗り始めたエントリーユーザーにも優しいハンドリングだ。

 

車輌詳細その一方で、ペースを上げた走りでは、意外にもライダーに正確な入力を要求してくる。最新のスポーツバイクらしく、フロント荷重を重視したライディングにも対応する高い車体剛性を確保しているが、このモデルのポテンシャルを使い切るには、より正確な荷重コントロールや各部への入力が必要だ。ラフな入力に対しては、微妙にラインが外れたり、リアの接地感がやや希薄になったりと、危険にならない範囲で反応を返してくれるので過ちが分かりやすい。初心者には優しく、ベテランには乗りこなす楽しさを提供してくれるハンドリングは、飽きのこない絶妙な味付けと言えるだろう。

 

ワインディングでは前後サスペンションのできの良さも実感できた。乗り始めこそ前後ともにややオーバーダンピングに感じたが、初期作動性も良くスッと短いストロークで見事に路面の変化に追従していることに気づく。恐らく、前後サスペンションは、コンバインドABSとのマッチングを十分に考慮した上でセッティングされているのであろう。この足周りであれば、コンバインドABSの制動力をアテにした走りを組み立てることも十分に可能だ。

こんな方にオススメ

長く所有しても飽きない懐の深さ
あらゆるライダーと用途に適合

どんなライダーにこのCB400 SUPER FOUR ABSを勧めるかは難しい問題だ。というのも、ビギナーからベテランまで、シティーランからスポーツ走行を含むツーリングまでを全方位的にカバーする、このモデルの広大な守備範囲を考えると、特定のライダー層をイメージすることができないからだ。敢えて言うなら、長く楽しめるバイクを探しているライダーには特にお勧めしたい。確かな基本性能はもとより、オーナーのスキルアップに対応する懐の深さ、高級感のある各部のフィニッシュなど、長く所有するに足る魅力に溢れたモデルであることは間違いない。熟成が進むにつれて、400ccクラスの中でも高価なモデルとなりつつあるのは残念だが、それはこのモデルのパフォーマンスとクォリティーが既にクラスレスな領域に到達している証でもある。価格分の価値は十分にあると言えよう。

総合評価

ハイテク臭を消した完成度の高さ
CB400SFを超えるのはCB400SFだ

今回のマイナーチェンジによって、例えばバルブ可変機構が作動する際の一種の高揚感といったものは無くなった。コンバインドABSにしても、安全に減速できる素晴らしい制動力をもちながら普段は全く意識することなくブレーキペダルを踏むことができる。PGM-FIのフィーリングも極めてナチュラルだ。これらのデバイスにはキャッチーな演出が加えられていないので、損をしている気がしないではないが、CB400 SUPER FOUR ABSが目指したレベルにおいては、できの良いハイテク・デバイスも全体の完成度を補完する一要素に過ぎないのかもしれない。完成度という意味では、先代モデルも既に相当なレベルに達していた。それ故、大幅な進歩を遂げる余地はもはや残されていまいと予想していたのだが…。試乗を終えた今、またしてもCB400 SUPER FOURは先代のモデルを超えてしまったと言う他ない。

CB400 SUPER FOUR ABS

モデルイメージ昨年の12月にマイナーチェンジされたCB400 SUPER FOURに設定されたコンバインドABS搭載モデル。新設計エンジンにはPGM-FIを採用したほか、より緻密な制御を行うバルブ可変機構「HYPER VTEC Revo」を搭載。大排気量車も侮れない速さも健在だ。

DATA--

■エンジン=水冷4ストロークDOHC4バルブ直列4気筒 399cc
■最高出力=53PS/10,500rpm ■最大トルク=38Nm/9,500rpm
■価格=ソリッドタイプ¥792,750(税込) ツートンタイプ¥824,250(税込)
     カラーオーダープラン\813,750(税込)
「CB400 SUPER FOUR ABS」の詳細情報を見る(バイクブロス)

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Bros.Editorial Team

わたぼう

レーサーレプリカから始まったバイク歴だが、基本的にはツーリングバイク好き。それでいて何故か愛車はオフ車が中心。こんな脈絡のないバイク遍歴に終止符を打つべく入手したカワサキのW650が現在のお気に入りのウェブコンテンツ編集者。