バージンバイク
キャラクター&歴史

心を揺さぶるビッグVツイン
気負わず乗れるロードスポーツ

アルミ製トラスフレームに、995ccの水冷Vツインエンジンを搭載。トルクフルなVツインの鼓動が楽しめ、スリムな車体に充実の足まわりが組み合わされ高いスポーツ性を発揮する。ハーフカウルを見にまとった「SV1000S」は、ライダーの心を揺さぶるビッグVツインスポーツだ。2002年のインターモト・ミュンヘンで登場し、2003年に国内仕様をリリース。スーパーバイクのベースモデルとはひと味違った、気負わず乗れるロードスポーツモデルとして高い評価を得ている。かつてはノンカウル版も発売されたが、現在はハーフカウル仕様のみで黒と青の2色がラインナップされている。価格は税抜きで100万円を切る安さだ。フルアジャスタブルタイプの前後サスをはじめ、GSX-R1000の技術をベースとした鍛造ピストンやGSX-R750と共通の4ピストンキャリパーなど、そのパフォーマンスを考えれば非常にリーズナブル。

特徴

道路を選ばないオールマイティさ
どんなライダーも快適に走れるモデル

車輌詳細一切の無駄を排したSV1000Sの精悍なボディ。乗る前から相当な実力の持ち主であることは簡単に想像できる。かつて、SUZUKI「TL1000R/S(SV1000Sの先代モデル)」をはじめHonda「VTR1000F」など、Vツインの本格派ロードスポーツモデルが続々と登場した時期があった。これらモデルは、4気筒750cc、2気筒1000ccまでという「スーパーバイク選手権」のレギュレーションの影響から生まれたベースモデルたちであった。しかし当時、リッタークラスの4気筒スーパースポーツモデルを乗りこなす自信がなかったボクは、「TL1000S」らが登場したとき「扱いやすくて、なんて速いバイクなんだろう」と思ったことを今でも覚えている。低回転域からトルクフルでコンパクトなエンジンは、トラクションが得られ乗りやすい。車体も4気筒モデルより軽く、ハンドリングも軽快だった。そんなVツインスポーツもスーパーバイクのレギュレーション変更(4気筒1000cc化)に伴い姿を消してしまったが、Vツインの実力が侮れないものだということは、そのとき痛感した。前置きが長くなってしまったが、そんなV型2気筒エンジンを搭載したSV1000Sが現在もラインナップされていることは嬉しい限り。購入する人はきっと、Vツインスポーツのメリットを熟知しているツウ好みのライダーなのだろう。

 

クリップオンハンドルとバックステップの組み合わせで、ポジションはいたって戦闘的。フューエルインジェクションと組み合わされたエンジンは低速から力強く、高速域までストレスなく吹け上がる。レスポンスが特に良く、パンチのあるエンジンは軽い車体をどんどん走らせる。コントロールしやすいブレーキといい、車体の挙動を把握しやすいサスといい、足まわりも申し分ない。ボクのような素人ライダーでも、ひとたびワインディングに入れば、かなりのペースで走らせることができる。4発のスーパースポーツに乗っていて、後ろからこういうモデルにつつかれると、さぞかし嫌だろう。アッパーカウルのおかげで高速道路も難なくこなし、市街地をゆっくり走ってみても嫌にならない。戦闘力は十分ながら、どんなステージも苦手にしない。オールラウンダーな性格であることも発見できる。もしも、ロードスポーツモデルに乗る仲間たちが集まった過激なツーリングに参加したとしよう。SV1000Sなら、一般道、高速道路、ワインディング…、全行程で常に先頭集団から離されず走り続けられるだろう。そして、なおかつ楽しく走れそうだ。

シャープなデザインが個性的
戦闘的なフロントマスクも魅力

フロントにはハーフカウルを装着し、エッジを基調としたシャープなデザインは個性的。ヘッドランプは60/55W H4ハロゲンバルブのデュアルマルチリフレクター式を採用。戦闘的なフロントマスクが、マシンのポテンシャルを主張しているようだ。黒のアルミ製フレームは、三角形を基本にして組んだトラス構造。そこに搭載するコンパクトかつスリムな995cc水冷DOHC4バルブ90°Vツインエンジンは、ビックボア(98mm)×ショートストローク(66mm)で、低回転域でのトルク感と高回転域までのスムーズで滑らかなパワーフィーリングを両立している。フューエルインジェクションとの組み合わせにより、リニアでスムーズなスロットルレスポンスを生み出し、さらにアルミ合金製シリンダーやアルミ鍛造ピストンなどを採用することで、軽量化も図られている。フルアジャスタブルタイプの前後サスをはじめ、ピボット部やリヤアクスル部を鋳造にしたスイングアームなど足まわりも充実の内容だ。テールランプは、2つの縦長クリアレンズにLEDがレイアウトされていて、「こんなのアリなの?」って思ってしまう斬新さ。シャープなデザインの車体に、違和感なくフィットしている。

ポイント

充実のフロントまわり

スポーティな走りを実現する正立フォークは、フルアジャスタブルタイプを採用。ブレーキはφ310mmフローティングローター+対向4ポットキャリパーをダブルで装着し、信頼性の高い足回りが装備されている。

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ポイント

スポーティなリヤまわり

リザーバータンク付きリヤショックは、フロントフォークと同様フルアジャスタブルタイプを装着。ブレーキはφ220mmローター+1ポットピンスライドキャリパーを採用し前後ブレーキとも抜かりはない

ポイント

機能的なコクピット

液晶デジタルスピードメーターの上にアナログ式の大径タコメーターを直線的にレイアウトしたインストルメントパネル。機能的でシンプルなデザインを採用し、ライダー視点からの満足度も高い。

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ポイント

美しいシルエット

スリムなエンジンとフレームからの流れを活かしたタンク形状。快適なライディングポジションを生み出すことに貢献する燃料タンクは17Lの容量を確保し、巡航距離は充分。外装は黒と青の2色を用意。

SV1000S

ライディング状況2003年に国内販売が開始されたビッグVツインスポーツ。ストリートからツーリングまで気負わず快適に乗ることができるバランスの非常に高いモデル。995ccのトルクフルなエンジンと充実した足回りを持ちながら、100万円を切るリーズナブルな価格設定が嬉しい。

DATA--

■エンジン=水冷4サイクルV型2気筒 995cc
■最高出力=94ps/8,500rpm ■最大トルク=90Nm/7,200rpm
■価格=¥1,008,000(税込)
「SV1000S」の詳細情報を見る(バイクブロス)

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青木 タカオ

青木 タカオ

バイク雑誌編集部員を経て、現在はフリーライター/編集者として、あらゆる二輪雑誌に携わる。16歳で中型二輪免許を取得し、18歳で限定解除。高校生の頃から日本全国を駆け回り、アメリカやタイなど海外ツーリングの経験も。