バージンバイク
キャラクター&歴史

アメリカンをスズキ流に表現
クラシックスタイルの最新作

国産バイクメーカー各社がしのぎを削る400ccのクルーザー。スズキでは「イントルーダークラシック」と「ブルバード400」の2シリーズを販売しているが、両車は同じエンジンとシャシーを共用しながら、“クラシック”と“走りのクルーザー”という違いを打ち出している。今回紹介する「イントルーダークラシック」は、2001年にそれまでの「デスペラード」からスズキの400ccアメリカンのバトンを受け継ぐ形で登場。“ロングロー&ベーシック”をコンセプトに、当時人気の高まっていたクラシックテイストを前面に打ち出した。「デスペラード」シリーズは倒立サスペンションを装着するなど、他社とはやや違うコンセプトが特徴のバイクだったが、「イントルーダークラシック」はリジッド(※注1)に見えるリヤ周りや、タンクオンメーターなど、クラシックアメリカンの定番スタイルをとった。一方「デスペラード」の“走りのクルーザー”という独特のコンセプトは、2005年に「ブルバード400」として再び復活している。そのため「イントルーダー」はよりクラシックアメリカンのテイストを強めていき、2007年に登場したのがこの「イントルーダークラシック400キャストホイール仕様」だ。

注1:リアサスペンションがついていないタイプのフレームをリジッドフレームと呼ぶ

特徴

ブラックとクロームが織り成す
モノトーンのボディデザイン

車輌詳細「イントルーダークラシック400キャストホイール仕様」は、その名の通りベースモデルのスポークホイールを、鋳造アルミを切削して造形したホイールに換装。シートの周囲に鋲を打ちワイルドなテイストを演出してあるのが特徴だ。ホワイトモデルはタンクや前後フェンダーに揺れる炎をイメージしたフレイムグラフィックスをまとう。今回撮影でお借りしたブラックモデルは、モデル名にも敢えて「ブラックエディション」と謳っており、クラッチケースやジェネレーターカバー、前述のキャストホイールをブラックペイントして、全体としてブラックとクロームの精悍なモノトーンにまとめ上げたモデルだ。

 

400ccアメリカンクラスでは最大となる1,655mmというロングホイールベースの車体にふさわしく、豊かなボリューム感を持つ燃料タンクやたっぷりとしたシート、ファットな前後タイヤを覆うディープフェンダーなど、ディテールはクラシックアメリカンをしっかりと表現している。また、貫禄のフロントマスクを形作るヘッドライトケースやフォークカバー、エアクリーナーカバーや長い2本のマフラーなど、各部のクロームメッキパーツがブラックアウトされた部分とコントラストを見せる。黒い車体の中では控えめな存在感となるV型2気筒SOHC4バルブエンジンは、45°という狭いバンク角が特徴。このバンク角によって、アメリカンらしい鼓動感を演出している。ここからアウトプットされた出力は、シャフトドライブによって後輪を駆動。そのため、左側から見たリヤ周りはリジッドフレーム風のスイングアームをすっきり見せてくれる。

ポイント

クラシカルなデザインのキャストホイール

スポークホイールのベースモデルに対して、鋳造アルミを両面から切削して造形された前後ホイール。柱状のスポークを細かいピッチで放射状に配置されたデザインが、幌馬車の車輪のようなクラシカルな佇まいを見せる。

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ポイント

リヤホイールはシャフトドライブ方式

クラシックアメリカンのセオリーどおり、リジッドフレーム風のスイングアームを持ち、そこに組み合わされるシャフトドライブ。メインテナンスが簡単で左側面からのリヤ周りをすっきり見せる効果もある。

ポイント

ブラックに統一されたタンクオンメーター

タンクオンメーターもクラシックアメリカンの定番。ローマン体の文字盤は、ホワイト、ブラックそれぞれボディカラーに合わせた色を採用。ブラックエディションは指針もホワイトとモノトーンにこだわった仕上がり。

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ポイント

ブラックアウトされたエンジン周り

繊細なフィンが美しい狭角45°V型2気筒エンジン。ブラックエディションはクラッチカバー、ダイナもカバーなどをすべてブラックに統一。その名にふさわしくエンジンが車体に溶け込んでいる。

試乗インプレッション

狭角45°Vツインの逞しさと
高速域まで変わらないスピード感

車輌詳細「イントルーダークラシック」の実車を前にして、その圧倒的なボリューム感に「うーん」と唸らされた。1655mmというホイールベースを持つロング&ローのフォルムによって、400ccという車格を超えた存在感がズンと伝わってきた。そのボディはブラックエディションの名の通り、黒とクロームのモノトーンの世界。“クラシックアメリカン”と聞くと、どこか旧き良き、きらびやかな装飾性のある響きをイメージする。しかし、このイントルーダークラシックは、どちらかというと“ネオ・クラシック”という佇まいで、どこか新鮮な印象さえ受ける。特に前後のホイールは一見すると最近流行の鍛造アルミホイール張りのデザインで、他のクラシックアメリカンとはちょっと違うゾという主張が伝わってくる。

 

車輌詳細鋲の装飾がワイルドなシートにドッカと座り、ワイドなクラッチレバーをゆっくり離して走り出す。エンジンが45°という狭角バンクのためか、他の同クラスのアメリカンよりエンジンの鼓動が伝わってくる印象。さすがに排気量なりの「トルトルトルトル」という軽めの音ではあるが、タウンスピードではしっかりVツインらしさを楽しむことができる。トルクがしっかりしているせいか、スロットルを丁寧に扱えば時速40kmでもトップギアで走ることができた。高いギアで低回転の振動を楽しむことができるというわけだ。サスペンションは比較的硬めで、路面のギャップがしっかり伝わってくる。このあたりの味付けは、デスペラード以来、“走りのアメリカン”にこだわっているスズキらしい部分なのかもしれない。また、面白かったのはタウンスピードからハイウェイスピードまで、そのスピード感が変わらず加速していくこと。時速40kmでも時速80kmでもそのスピード感が変わらず加速していくため、気が付いたら「おっといけない…」というスピードになっていたことが多々あった。これは本当にクルージングモードの時には、快適なライディングをもたらしてくれるはずだ。

こんな方にオススメ

他のクラシックアメリカンとは
一線を画す個性的なデザイン

今や400ccクラスのアメリカンといえばどれも“クラシック”をテーマにしたものばかり。そんな中で、同じテーマをベースにしながらも、ちょっとだけ違う味付けをしたのがこの「イントルーダークラシックキャストホイール仕様ブラックエディション」ではないだろうか。クラシックアメリカンの姿を忠実に再現するのではなく、そこに時代性を感じさせないテイストをちょっとだけ足したような雰囲気。もしこのバイクに乗るなら、ジーンズやオイルドレザーといった素材感のあるウェアよりも、上から下までブラックレザーで揃えたちょっとハードな感じのルックスが似合うかもしれない。日本製のバイクは、同じカテゴリならどのメーカーのバイクでも同じようなルックスのバイクになっていることが多いが、これなら他のとは一味違う佇まいを楽しむことができるはず。

総合評価

薄暗がりに溶け込み引き立つ
ブラックエディションの佇まい

最近、この新車インプレで何度も400ccアメリカンに乗っているような気がする。これまで あまりアメリカンタイプに触手が伸びてこなかった僕にとっては、どれも同じようなアメリカンスタイルをしていると思っていた。しかし、実際に乗ってみるとそれぞれ独自の味付けがなされていて面白い。特に今回のバイクは「イントルーダークラシックキャストホイール仕様ブラックエディション」という長い車名が物語るように、いかに他のモデルと差別化が図られたのかがよくわかる。特に“ブラックエディション”の黒いボディは、ちょっと薄暗い中に置いてみると、闇の中に光るクロームパーツがバイクのフォルムを引き立てる。暗がりに佇むこのバイクの姿が、撮影カットの中に何枚もあったことに後から気が付いたほどだ。

Intruder Classic400 キャストホイール仕様ブラックエディション

モデルイメージ2001年に登場したスズキの400ccアメリカン「イントルーダークラシック」。クラシックな雰囲気を残しつつ、キャストホイールを履き、エンジン各部をブラックアウトした特別仕様が「キャストホイール仕様ブラックエディション」。

DATA--

■エンジン=水冷4サイクルV型2気筒 399cc
■最高出力33ps/8000rpm ■最大トルク=33N・m/6000rpm
■価格=¥733,950(税込)
「イントルーダークラシック400」の詳細情報を見る(バイクブロス) 

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八百山ゆーすけ

八百山ゆーすけ

バイク、カメラ、ケータイ、パソコンなど、幅広いジャンルを手がけるライター/編集者。“公称身長160cm未満”を生かし、女性や小柄なライダーに役立つ視点を持つ。長距離ツーリングからサーキットまでどっぷりバイクライフに漬かる人生。