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マルチに使えるヨーロッパ生まれの オンロードとダートが混在するサーキットを走るために生まれたスーパーモタードマシンが、ここのところ注目を集めている。オフロードバイクをベースとしたコンパクトな車体に17インチホイールを組み合わせ、これまでのバイクにはない走りを楽しめることから人気が高まっているのだ。今回の試乗車「XT660X」も、軽量なボディに、オフロードで実績のあるシングルエンジンを搭載。専用設計の足まわり、そして十分な制動力を発揮するブレンボ製ブレーキキャリパーなどを採用し、ホットなスーパーモタードマシンとしての要件を満たす1台だ。
そもそもXTという車名は、1976年にデビューしたトレールXT500に由来し、ヤマハのビッグオフに冠せられる歴史ある名前。ビッグタンクを装着したXT500は、1979年に行われた第一回パリダカで総合優勝を果たして、一躍その名を世界中にとどろかせた。また、80年代中盤には660ccにボアアップしたパリダカレプリカであるXT660テネレに発展。ロングセラーモデルSEROW225(輸出車名XT225)など、ヤマハの4ストオフモデル・XTシリーズは、名車の系譜として有名である。現在あるほとんどのスーパーモタードモデルがそうであるように、XT660Xもオフモデルである兄弟車XT660Rから独自の進化を遂げたマシンだ。名車XTの血統を受けついだスーパーモタードの実力はどれほどのものなのか。今回は運良く、一般道に近い設定のクローズドコースで試乗する機会に恵まれた。 本気の走りを感じさせる
17インチのホイールは衝撃吸収性の高いスポークタイプ。ロードバイクのキャストホイールとは一見して足下から受ける印象が違う。アップフェンダーということもあり、やはりどちらかというとオフロードっぽい雰囲気があるマシンだ。だが専用セッティングが施されたパイオリ製43mm径フロントフォークやリア160幅ラジアルタイヤなど、足周りはオフロードのXT660Rとは別物。同様にブレーキシステムはフロントに放熱性の高い320mm径フローティングマウントディスクに、ブレンボ製対向4ポットキャリパーという豪華なパーツをチョイス。リアもブレンボ製キャリパーを組み合わせるなど、ロードバイク顔負けの装備にXT660Xのパフォーマンスが垣間見える。ミドルクラスのパワーと身軽さ、その気になれば峠を攻めることもできる足周り。アグレッシブな走りを予感させる装備は、このバイクの走りに対する本気度を感じさせてくれる。
躍動感あるビッグシングルエンジンが
日常使いはもちろん、非日常の オンとオフの両方を攻める、という開発コンセプトによって、XT660Xはどんな道も快適に走行できるシングルマシンに仕上がっているといえる。そのためXT660Xはヨーロッパで人気が高い。というのも、660ccエンジンのトルクフルながら扱いやすいパワーと、15Lフューエルタンクによるロングディスタンス性能、そして街乗りから郊外の移動までバランスのよい走破性を持っているからだ。通勤・通学から年数回のロングツーリングまで、すべてを1台でこなそうという欲張りなライダーにピッタリといえるだろう。とくに走る頻度の高いオンロードの快適性を考えると、17インチホイール+ハイグリップタイヤによる安定感はメリットが大きい。875mmというシート高は足着きに不安を覚えるかも知れないが乾燥重量177kgという400ccネイキッド並みのフットワークの軽さを考えると臆病になる必要はない。 新しい可能性を秘めた 背が高くてスリムな車体にビキニカウルで飾ったフロントマスク、そして軽快さを演出する中空ハブを採用した17インチスポークホイールなど、XT660Xは既存のネイキッドやスーパースポーツとは一線を画すロードバイクといえる。そしていざ走り始めてみると、その走破性は田舎道の未舗装路までをカバーするというおおらかさ。しかもライダーがその気になれば、ミドルクラスのパワーユニットがアグレッシブなライディングにも応えてくれる。例えば、久しぶりにバイクのある生活に戻りたい、というライダーなら、以前のバイクライフとはひと味違った選択となるはずだ。XT660Xはマシンのキャパシティが広い分、ライダーの遊び心と扱い次第でどんなバイクにも化けることができる可能性を持っている。 XT660X
DATA-- ■エンジン=水冷4ストロークDOHC5バルブ並列4気筒 998cc |
Bros.Editorial Team バイクブロス発行各誌の編集部から、乗りたがりクンたちが結集! 写真の4人を中心に、メンバーが自在に増殖するアメーバ的チームだ。
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