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昔からの乗り味や作りを残しつつ 「ドロッ、ドロッ、ドロッ」と、独特のビートを奏でるハーレーダビッドソンのVツインエンジン。ハーレーといえば、バイクに関心がない人もその名前だけは知っているほど、誰しもが認めるバイクの王様である。いかにもオートバイというスタイルは昔から変わらず、最新モデルでも十分にその雰囲気を楽しむことができる。しかし、「旧いハーレーにこそ、イメージしていた“ハーレーらしさ”がある」というハーレー乗りも多い。中でも1984年まで製造された「ショベルヘッド」は、昔ながらのエンジンのデザインやフィーリングから人気が高い。そんな“ショベル”の魅力を、個性的な旧いハーレーのカスタムを手がけるテイストコンセプトモーターサイクルの代表、河内山智さんに伺った。 カスタムしては売って
22、23歳くらいのときにはどうしてもハーレーをいじりたくて、求人広告で見つけた輸入オートバイ販売店に入社。3ヶ月の試用期間の1ヵ月半でクビになりましたけどね(笑)。そのときにポンコツのショベルヘッドを買ったのが、自分自身のハーレーの最初です。ショベルヘッドの中でも’79年モデルのローライダーでした。もちろん当時の私が買えたのは中古ですよ。いや、中古以下のポンコツでしたね(笑)。ショベルを手に入れてからはとにかくイジくり倒しました。当時の“カスタム”といえば、ひたすらメーカーのオリジナルから離れることで、ウィンカーを小さくしたりタンクを小さいのにするというのは序の口。「純正のCCバーがダサイから変えちゃう」、「フロントフェンダーは切って捨てちゃう」、「ノーマルのカラーリングはイヤだから剥離材をぶっかけて違う色にする」という風に、ひたすらどれだけ違うものにするか、ということをやっていました。
そうやってカスタムしていくと、だいたい目処が立ったところで次のが欲しくなってくるんですね。もともと好奇心の塊がゆえにイジるのを始めたので、ある程度のところで見切ってしまうんです。それで、「ショベルといえばFLHだ」ということで、しっかりカスタムしてあるローライダーとボロボロのFLHを交換して、また最初から始めました。そんな感じで、バックヤードビルダーとして自分の好きなハーレーを作っては売って、次のを買ってはまたカスタムしていく、ということを繰り返してきた結果が今ですね(笑)。 エボやツインカムにはない
ショベルヘッドは1979年モデルで、それ以前の1200ccから1340ccへと排気量が大きくなっています。この1978年以前のショベルは、ハーレーに1200ccが誕生した1941年からのものをいろいろな意味で受け継いでいるんですね。そういう意味で、1340ccに対して昔からの乗り味というのがなんとなく感じられますね。1941年から何十年もやってきて熟成したものを感じることができるのがひとつの魅力だと思います。また、フレームの形やリヤフェンダーが分割式でタイヤを外すときにパカンと開くスタイルのものだったり、Tバーを使って昔のシートポストがボルトオンで付く、といった、デュオグライドの時代の名残がしっかり残っているのも、オールドハーレー志向には魅力ですね。一方1340ccはやはり排気量が大きい分、歯切れのよさがあります。タイヤが地面を蹴る感じとか、角の取れた1200ccに対して今風なパワー感のエンジンになっています。 河内山さんに訊く!
そういう意味でも、とにかく調子のいいものを手に入れることがとても大事です。もちろん「FX系のローライダーが格好いい」、「やっぱりハーレーらしいFLH系がいい」、「ツーリングを考えるとツアラーが欲しい」といったモデルの好みはあると思います。でも、その中では年式にこだわらずに一番調子のいいものを買ったほうがいいですね。というのも、「“調子がいい=健康状態”で、後から直したものとは違いがある」と私は思っているんです。新車から廃車までのバイクのコンディションのグラフを描くと、直線が右に進むに連れて下がっていきます。途中で修理をするとその坂を再び左に上るわけですが、そもそもその“坂が緩い=調子がいい”もののほうが、同じ修理をしてもより長く楽しめるわけです。
もちろんショベルは20〜40年ものの中古ですから、ちゃんとしたケアが必要になってきます。ただし、それが大変だと感じるほど厄介なものではないと思います。プライスしかり、コンディションしかりで、しかるべきショップでいいものを手に入れれば、十分楽しむことができるバイクです。ただ、新車ではありませんから買ったときがコンディションのピークだと思って欲しくありません。手に入れたときからマイナートラブルを少しずつ治していって、自分のものにしていけば楽しいですよ。自分の大好きなアイテムとして愛情を入れる=手を入れていくことで、より良いものにしていくのは楽しいでしょ。 愛車DATA --
ポルシェが開発した水冷DOHC4バルブVツイン「レボリューション」エンジンを、独自の三次元製法で生み出したダブルクレードルフレーム積んだ新世代のスポーツハーレー。ロング&ローのフォルムに近未来的なデザインを組み合わせた個性的なスタイルを持つ。河内山さんの愛車はフロントホイールを5本スポークのものに換装し、インジェクションコントローラーを付けて燃調を変えられるようにしてある。まずはベースモデルについて熟知するために試行錯誤中で、カスタムはまだまだこれからという状態。3月に息子さんも色違いのV-RODを購入した。 |
TASTE CONCEPT MOTOR CYCLE 東京・八王子郊外の住宅地にあるハーレーダビッドソン専門のカスタムショップ。コンプリートだけでなく、ライトカスタムからメインテナンス、ワンオフパーツ製作まで幅広く対応する。河内山智氏と子息の友郎氏の2人で運営する。
東京都八王子市川町244-286 営業:10:00〜20:00 電話:0426-52-5491 休日:水曜日 URL:ウェブサイト(外部リンク) |